ニュースの要約
- 労使、経済、イデオロギーの対立が日本社会で最も深刻であるという結果が明らかになった。
- 陰謀論的思考の強さは、生活への不満が高い人に多く見られることがわかった。
- 動画系SNSを主なニュース源とする人ほど陰謀論的思考が強い傾向にあることが示された。
概要
スマートニュース株式会社の社内シンクタンクであるスマートニュース メディア研究所は、日本国内の政治的・社会的分断や、人々のメデイア接触状況を概観する「スマートニュース・メディア価値観全国調査(SMPP調査)」の結果を公表しました。
SMPP調査では、「対立意識」と「陰謀論」について詳しくまとめた結果が明らかになりました。
まず「対立意識」については、SMPP2023と比べて、SMPP2025では「労使」「経済」「イデオロギー」の順で対立が感じられる割合が高くなっていることがわかりました。
また、「陰謀論的思考」については、生活への不満が高い人ほど陰謀論的思考が強くなる傾向が見られ、ニュースの情報源によっても差がみられました。
具体的には、「新聞を主なニュースの情報源とする」人は陰謀論スコアが低く、「動画系SNSを主なニュースの情報源とする」人は陰謀論スコアが高い傾向にあるということです。
このように、日本社会の分断構造の変化と、メディア接触と陰謀論的思考の関係性について、興味深い知見が得られた調査結果となっています。
編集部の感想
編集部のまとめ
スマートニュース:日本における対立意識と「陰謀論」~ニュース情報源で「陰謀論的思考の傾向」に差 スマートニュース・メディア価値観全国調査2025についてまとめました
今回の調査結果から、日本社会の分断構造が経済格差や政治的イデオロギーの対立に移行しつつあることが明らかになりました。特に、労使対立や保守派とリベラルの対立が深刻化していることが浮き彫りになりました。
一方で、陰謀論的思考の背景には生活への不満が関係していることも示されています。また、ニュースの情報源によっても陰謀論的思考の強さに差があり、動画系SNSを主な情報源とする人ほど、陰謀論的な見方を持つ傾向にあることがわかりました。
これらの調査結果は、社会の分断構造の変化と、メディア接触の仕方が個人の認知や信念形成に大きな影響を及ぼしているという示唆を与えてくれます。メディアリテラシー教育の強化や、信頼できる情報源の確保といった課題に取り組むことが、分断を解消し、健全な社会を構築する上で重要になってくるだろうと考えられます。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000698.000007945.html