全日本空輸(ANA)が提供するANAアプリは、航空券の予約から搭乗まで、様々な機能を備えた便利なモバイルアプリケーションです。その中でも、領収書の発行機能は多くのビジネスユーザーや出張者にとって重要な機能となっています。本記事では、ANAアプリを使用した領収書の発行方法、活用シーン、そして便利な機能について詳しく解説します。
ANAアプリの領収書機能とは
ANAアプリの領収書機能は、航空券購入後に簡単に領収書を取得できるサービスです。従来は空港のカウンターや郵送での対応が主でしたが、デジタル化の進展に伴い、アプリから直接領収書を表示・保存できるようになりました。この機能により、出張から帰宅後すぐに経理処理を進めることができるようになり、業務効率が大幅に向上しています。
ANAアプリで発行できる領収書は、インボイス制度の要件を満たした形式となっており、ANA適格請求書発行事業者登録番号も記載されています。これにより、法人の経理処理や税務申告にも対応できる信頼性の高い領収書となっています。
国内線の領収書発行方法
基本的な発行手順
ANAアプリを使用して国内線の領収書を発行する場合、まずホーム画面から現在の予約対象となる予約をタップします。次に、出発日までのお手続きセクションから「領収書発行」ボタンをタップしてください。
領収書発行画面では、領収書の宛名(領収書名)を入力する必要があります。この宛名は個人名でも法人名でも対応可能です。宛名入力後、但し書きの内容を選択します。但し書きは「航空券代」など、支払内容を明確に示すテキストを選択することができます。
さらに、支払方法明細の表示条件を選択します。この項目では、領収書に支払方法の詳細を表示するかどうかを決定できます。クレジットカード、マイル、クーポンなど、複数の支払方法を使用した場合でも、それぞれの支払額を明細として表示することが可能です。
すべての情報を入力・選択した後、「領収書を表示」ボタンをタップすると、領収書データが画面に表示されます。この領収書データは画像形式で表示され、スクリーンショットを撮影したり、PDFとして保存したりすることができます。
複数の支払方法を使用した場合
航空券の購入時に複数の支払方法を組み合わせた場合、ANAアプリの領収書機能では各支払方法ごとの領収書を発行することができます。例えば、クレジットカードとマイルを組み合わせて支払った場合、それぞれの支払額を記載した領収書を取得できます。
ただし、支払方法が2種類以上の場合やクーポンを利用した場合は、お客様ごとの領収書発行に制限が生じることがあります。このような場合は、ANAのカスタマーサポートに相談することで、適切な対応を受けることができます。
クーポンやマイルでの支払い
ANA旅行券やANAギフトカードを使用した支払いの場合、領収書Web表示サービスで対応可能です。ただし、「お釣りあり」の場合はWeb領収書の発行ができないため、ANAから郵送での領収書発行となります。
マイルを使用した特典航空券の場合でも、領収書の発行が可能です。この場合、マイルの価値を金額換算した形で領収書に記載されます。
国内ツアーの領収書発行方法
国内ツアーの領収書発行は、航空券のみの場合とは異なる手順となります。国内ツアー予約検索から予約詳細ページへ進み、出発日までのお手続きセクションから「領収書発行」ボタンを押下します。
その後、領収書の宛名を入力し、但し書きと支払方法明細の表示条件を選択します。これらの情報を確定すると、領収書データが表示されます。スマートフォンをご利用の場合、ANAアプリからは表示ができないため、ANAウェブサイトをご利用いただく必要があります。
領収書データが表示されたら、「この画面を印刷する」ボタンを押下することで、印刷用の形式に変換されます。その後、PDFとして保存したり、プリンターで印刷したりすることができます。
国際線の領収書発行方法
国際線の航空券を購入した場合、購入後に予約時に指定されたメールアドレス宛てに領収書が添付されたメールが自動送付されます。これにより、すぐに領収書を取得することができます。
また、ANAウェブサイトからも領収書を表示・印刷することが可能です。航空券番号を用意した上で、「領収書を表示(印刷する)」から領収書情報を表示できます。
国際線の領収書では、日本語または英語の宛名であれば変更することができます。これにより、異なる言語での領収書が必要な場合にも対応可能です。さらに、領収書とあわせて明細書(運賃、税金、料金明細等)も表示・印刷ができるため、詳細な支払内容を確認することができます。
領収書Web表示サービスの活用
サービスの概要
領収書Web表示サービスは、ANAウェブサイトやANAアプリから、購入後12ヶ月間(空港で発行の場合は14ヶ月間)にわたって領収書を何度でも表示・印刷できるサービスです。このサービスにより、領収書を紛失した場合でも簡単に再発行することができます。
手数料分の領収書も、表示期間内であれば何度でも表示できるため、払い戻し手続きの際に手数料分の領収書を印刷し忘れてしまった場合でも、後から取得することが可能です。
利用シーン
領収書Web表示サービスは、様々なビジネスシーンで活躍します。例えば、搭乗から1ヶ月後に会社への領収書提出に気づいてしまった場合でも、すぐに領収書を表示・印刷することができます。郵送されるのを待つ必要がなく、即座に対応できるため、経理処理の効率化につながります。
また、搭乗証明書の発行を依頼するたびに予約センターに連絡する必要がなくなり、ANAアプリやANAウェブサイトから直接発行できるようになったため、手続きの手間が大幅に削減されました。
インボイス制度への対応
ANAアプリやANAウェブサイトで表示される領収書は、インボイス制度の要件を満たした形式となっています。ANA適格請求書発行事業者登録番号(T1010401099027)が記載されており、法人の経理処理や税務申告に対応できます。
従来の領収書にこの登録番号が記載されていない場合でも、領収書Web表示サービスを利用することで、登録番号が記載された領収書を表示することが可能です。これにより、税務上の要件を満たした領収書を確保できます。
スマートフォンでの領収書操作方法
iPhoneでの操作
iPhoneでANAアプリから領収書を発行する場合、まずホーム画面の「設定」アプリをタップします。次に「Safari」をタップし、「ポップアップブロック」を「オフ」に変更してください。
領収書データ発行画面へ進むと、ポップアップウィンドウが開くというメッセージが表示されます。この場合、「許可」をタップすることで、領収書データが正常に表示されます。
領収書データが表示されたら、共有ボタンをタップし、「プリント」を選択します。その後、「ファイルに保存」をタップすることで、PDFファイルとして保存できます。任意のフォルダを指定して「保存」をタップすると、PDFファイルは「ファイル」アプリに保存されます。
Androidでの操作
Androidスマートフォンでの操作も同様です。まず、ブラウザの設定からポップアップブロックを無効にする必要があります。画面右上の三点リーダーをタップし、「設定」を選択します。
「サイトの設定」をタップした後、「ポップアップとリダイレクト」をタップしてポップアップを許可します。その後、領収書データ発行画面で共有ボタンまたは三点リーダーをタップし、プリント機能を使用してPDFとして保存できます。
ブラウザキャッシュのクリア
領収書データが表示されない場合は、ブラウザのキャッシュをクリアすることで解決することがあります。Safariの場合、環境設定から「詳細」をクリックし、「メニューバーの開発メニューを表示」にチェックを入れます。
その後、メニューバーの「開発」をクリックし、「キャッシュを空にする」をクリックすることで、キャッシュがクリアされます。キャッシュクリア後、再度領収書データ発行画面にアクセスすると、正常に表示される場合があります。
領収書が表示されない場合のトラブルシューティング
ポップアップブロックの設定確認
領収書データが表示されない最も一般的な原因は、ブラウザのポップアップブロック機能が有効になっていることです。この場合、ブラウザの設定からポップアップブロックを無効にする必要があります。
iPhoneの場合、「設定」アプリから「Safari」を選択し、「ポップアップブロック」をオフに変更します。Androidの場合、ブラウザの設定から「サイトの設定」を選択し、「ポップアップとリダイレクト」を許可に変更してください。
サイト許可設定の確認
ポップアップブロックの設定を変更しても領収書が表示されない場合は、ANAのサイトが許可リストに含まれているか確認してください。ブラウザの設定から「許可」欄に「https://www.ana.co.jp:443」が反映されているか確認し、反映されていない場合は追加してください。
サポートへの相談
上記の対応を実施しても領収書データが表示されない場合は、ANAのカスタマーサポートに相談することをお勧めします。ANAでは、領収書Web表示サービスをご利用いただけないケースの場合、弊社にて領収書を発行し、郵送でお送りするサービスも提供しています。
領収書の保存とバックアップ
PDFとしての保存
ANAアプリで表示された領収書は、PDFファイルとして保存することが推奨されます。PDFファイルは、異なるデバイスやOSでも同じ形式で表示されるため、長期保存に適しています。
スマートフォンから領収書データをPDFファイルとしてダウンロードする場合、Webブラウザ操作から領収書データをPDFファイルとしてダウンロードし、印刷が可能です。アプリ操作からは表示ができないため、必ずWebブラウザを使用してください。
クラウドストレージへの保存
PDFファイルとして保存した領収書は、Google DriveやiCloudなどのクラウドストレージに保存することで、複数のデバイスからアクセスできるようになります。これにより、スマートフォンを紛失した場合でも、領収書を失うことがありません。
また、クラウドストレージに保存することで、経理部門との共有も容易になり、業務効率が向上します。
領収書の印刷方法
自宅でのプリント
ANAアプリで表示された領収書は、自宅のプリンターで印刷することができます。領収書データ発行画面で共有ボタンをタップし、「プリント」を選択することで、プリント設定画面が表示されます。
プリンターを選択し、用紙サイズや印刷品質などの設定を行った後、「プリント」をタップすることで、領収書が印刷されます。
コンビニでの印刷
自宅にプリンターがない場合は、コンビニエンスストアのマルチコピー機を使用して領収書を印刷することもできます。PDFファイルをスマートフォンに保存した後、コンビニのマルチコピー機にアップロードすることで、印刷が可能です。
複数の領収書の管理
複数回の出張での領収書管理
ビジネスユーザーの場合、複数回の出張により、多数の領収書が発生します。ANAアプリの領収書Web表示サービスを利用することで、すべての領収書を一元管理することができます。
購入後12ヶ月間は領収書を何度でも表示・印刷できるため、経理処理の時期に合わせて領収書を取得することが可能です。
同行者の領収書
複数の搭乗者がいる場合、各搭乗者ごとに領収書を発行することができます。国際線の場合、1回の申請でお一人様の領収書の発行を承るため、同行者がいる際はご搭乗者様ごとにお申し込みください。
領収書に関する注意事項
発行できない場合
2024年2月1日以降、全国の空港・予約案内センターでの領収書発行取り扱いが見直されており、以下の内容は承ることができなくなりました。複数枚の領収書を1枚の領収書にまとめること、1枚の領収書を複数枚の領収書に分けること、領収した金額と異なる金額で領収書を発行することなどです。
これらの対応が必要な場合は、ANAのカスタマーサポートに相談してください。
払い戻し時の領収書
航空券を払い戻した場合、取消手数料の領収書が発行されます。この領収書も領収書Web表示サービスで表示・印刷することが可能です。
搭乗証明書との違い
ANAアプリでは、領収書の他に搭乗証明書も発行することができます。搭乗証明書は、実際に航空機に搭乗したことを証明する書類であり、領収書とは異なります。
搭乗証明書は、ご搭乗後にANAアプリやANAウェブサイトにて発行が可能です。搭乗1ヶ月後に会社への領収書提出に気づいてしまった場合でも、搭乗証明書を取得することで、搭乗の事実を証明することができます。
まとめ
ANAアプリの領収書機能は、ビジネスユーザーや出張者にとって非常に便利なサービスです。国内線、国内ツアー、国際線など、様々な購入形態に対応しており、インボイス制度の要件も満たしています。スマートフォンから簡単に領収書を表示・印刷・保存できるため、経理処理の効率化に大きく貢献します。ポップアップブロックの設定やキャッシュのクリアなど、トラブル時の対応方法も理解しておくことで、より快適にサービスを利用できます。
出張・経理担当者必見:ANAアプリで領収書を即発行・保存する完全ガイド(インボイス対応/トラブル対策付き)をまとめました
ANAアプリを活用することで、出張から帰宅後すぐに領収書を取得でき、経理処理を迅速に進めることができます。領収書Web表示サービスにより、購入後12ヶ月間は何度でも領収書を表示・印刷できるため、紛失時の再発行も簡単です。インボイス制度対応の領収書を自動取得できるため、税務上の要件も満たしており、ビジネスユーザーにとって欠かせない機能となっています。スマートフォンでの操作も直感的で、トラブル時のサポートも充実しているため、安心して利用できるサービスです。













